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色と暮らす〜イランの大地が生み出す、もう一つのペルシャ絨毯「ギャッベ」

スマホの普及により、私たちはこれまで以上にデジタルな世界と過ごす時間が増えました。いっぽうで、その反動なのか、心が休まる“アナログ的”なモノを身のまわりに置きたい!という欲求が高まっているのも事実。

前回のチュニジアキリムに続き、今回はギャッベ(ギャベ)をご紹介します。

 

ギャッベとはイランの遊牧民カシュガイ族などの遊牧系民族が手紡ぎで作る草木染めの鮮やかな色合の染料を使う絨毯のこと。イランといえばシルク素材のペルシャ絨毯が有名ですが。ギャッベは原料がウール。チュニジアのキリム同様、日常の生活道具です。

 

ギャッベ

 

ギャッベの文様にはひとつひとつ意味がある。たとえば生命の樹と呼ばれる文様は神の座と人が暮らす世界を表していて、その歴史は紀元前4世紀まで遡るそうです。四角は井戸、遊牧民の命綱を表し、狼の足跡は魔除けといった具合。

 

 

ギャッベ

 

独特の風合いとユルさ、でも一種の安心を感じるのは、こうした意味と願いが込められているからなのかもしれません。ちなみに、ヨーロッパのファッションデザイナーにはギャッベコレクターが多いそうです。

 

「八ヶ岳高原アートギャラリー」館長の向村さん

 

「お店に行ったら、まず裏返して見るといいですよ。店員さんの態度が変わるから…。(笑)」

 

そう語るのは今回お邪魔した、「八ヶ岳高原アートギャラリー」館長の向村さん。
裏を見るべき理由は、縦糸と横糸の目が細かいほど上質なギャッベである証。実は近年のブームのおかげで、イラン以外の別の国で作られた粗悪品が出回りはじめているそうなので、こうした助言はありがたい。

いっぽうで、こうした人気の上昇とともに、絨毯商がプロデュースした物も増えており、厚手でしっかりしたものも登場し、選択の幅も増えているようです。

オールド・ギャッベ

 

ちなみにオールド・ギャッベと呼ばれるものは薄く軽い。これは遊牧生活で運びやすくするため。理にかなっている。

 

「やはり永く付き合えるものを選んでほしいですね。イランの荒野に直に敷かれてきたオールドを見ると、ギャッベの丈夫さと丁寧な仕事を感じることができます。」

そう語る向村館長の言葉にはギャッベへの愛が満ち溢れている。

 

ギャッベを語っている向村館長

 

自然と心が和むデザインに囲まれる生活。まさにFIAT500をドライブのお供に選ぶのと同じ感覚とは言えないでしょうか? ちなみに、イタリアの高級ニットブランドで、ギャッベの影響を強く受けているところがあるそうで…。

 

楽しくやさしい暮らし。春の訪れとともに、ドライブがてら八ヶ岳まで足をのばしてみては?
色鮮やかな素敵なギャッベが、お部屋の模様替えに一役買ってくれるかもしれません。

 

 

取材&写真協力 高原アートギャラリー八ヶ岳

https://www.will-artg.com