『500(チンクエチェント)』初の電気自動車として話題を呼ぶ『500e(チンクエチェントイー)』の発売に合わせて、最新テクノロジーを取り入れている企業やショップにフィーチャーした企画をお届け!今回登場するのは、モバイルオーダーアプリを活用し、一人ひとりに合わせたサラダ体験をお届けする『CRISP SALAD WORKS(クリスプ・サラダワークス)』。ブランドのコンセプトやサービスの特徴、テクノロジーと外食産業の関係、そして“CREATE RAVING FANS(熱狂的なファンをつくる)”というメッセージに込められた想いとは?
現在、都内を中心に19店舗を展開している『CRISP SALAD WORKS(クリスプ・サラダワークス)』。今回は2014年にオープンした麻布十番にある『CRISP SALAD WORKS』1号店で、店舗を統括するCRO(チーフ・レストラン・オフィサー)の細田淑樹(ほそだよしき)さんにインタビュー。シンプルでスタイリッシュな内装の店内で、まずはブランドの成り立ち、コンセプト、サービスなどを伺いました。
–『CRISP SALAD WORKS』はどのようにして誕生したのですか?
まず、代表の宮野浩史が『CRISP SALAD WORKS』を立ち上げたのは2014年。僕は元々商社で働いていたのですが、あるとき代表に出会ってそのビジョンやビジネスプランに共感し、約2年前にジョインしました。成り立ちで言うと、代表はアメリカに元々住んでいたことがあって、当時からアメリカの食文化の中で一般的だった“お腹いっぱい食べられるサラダボウル”が日本にはなかったことが、店を作ろうと思ったそもそもの動機とのこと。また、自分が好きで良いと思えるもので、なおかつアメリカにあって日本にないものを考えたときに、サラダという発想にたどり着いたようです。
–たしかに日本では、サラダは“副食”のイメージが強いですね。
はい。お腹いっぱいになる主食としてのサラダは、ようやく最近になって少しずつ認知されてきましたが、オープンした8年前はサラダに1000円も払うのは一般的ではなかったですね。
–『CRISP SALAD WORKS』のコンセプトやサービスの特徴は?
まず会社がミッションとして掲げているのは、“熱狂的なファンをつくる”こと。ファンによって成り立つ世界を重視していまして「“GOOD”ではなく、“GREAT”でなければいけない」ということを代表は常々言っています。あと熱狂的なファンをつくるには3つの工程があり、それは“自分がやりたいことを決める”“相手をよく知る”“相手の思うひとつ上の要求を実行する”こと。それで言うと私たちの店はサラダ以外のメニューがないですし、モバイルオーダーシステムは便利さというよりも、お客様のことを知ってワンランク上のサービスを提供することが目的です。加えてブランドとしては“サラダとちょっとした心の交流”というメッセージも発信していて、美味しいサラダを食べられることはもちろん、“心がほっとするような瞬間”をつくれるブランドを目指しています。
–実際に利用するときは、どのようにオーダーしたらいいですか?
『CRISP APP』というモバイルオーダーシステムアプリや公式HPで、注文から決済まで行うことが可能です。また、店舗に来店して『CRISP KIOSK』と呼ばれる店頭のセルフレジ端末からもオーダーすることができます。
–ビギナーの方に向けて、おすすめの利用方法はありますか?
まだ一度も利用したことがない方は『CRISP KIOSK』での注文もけっこう楽しいので、ぜひ最初は店舗に来て体験していただくのがおすすめです。ただ初めてでわかりにくい場合は、“パートナーと一緒につくる”というボタンから注文してみてください。サラダに詳しいパートナー(店員さん)に相談しながら、注文体験をしていただけます。そしてもし気に入ってアプリから注文していただけると、利用回数に応じてランクが上がり、感謝の気持ちを込めてオリジナルグッズなどをプレゼントしています。また利用回数が100回を超えると“アンバサダー”として、お店にネーム入りのプレートを飾るといった取り組みもしています。
–『CRISP STATION』というレジ会計不要のセルフサラダ販売ストアも展開していますね。
『CRISP STATION』は丸ビルにあります。というのもオフィス街はランチの時間に店がすごく混んでしまうため、必死になってお弁当を買って、休憩時間の残り30分で食べるみたいな感じの人が多いんですよね。その点『CRISP STATION』は、その日の気分でストアの冷蔵庫から好きなサラダを取って、パッケージのQRコードから決済できます。なので冷蔵庫からパッと取って好きな場所で食べるのもいいですし、そのまま新幹線に乗るのもいい。ぜひいろいろな形で利用してほしいですね。
–それはかなり便利ですね!特に人気もしくは定番のカスタムサラダはありますか?
クラシック・チキンシーザーは定番ですが、そのほかにもキャロットやスパイシーブロッコリー、シラントロなどが入ったアジア風サラダの『SPICY BAIMAI』や、アボカドをくり抜いてトマトやレッドオニオン、甘酸っぱいドレッシングを合わせた『THE CAL-MEX』、アップル・セロリ・チキンなどをさっぱりとしたドレッシングで合わせた『THE HIPSTER』などもおすすめなのでぜひ一度食べてみてください。
『CRISP SALAD WORKS』といえば、アプリやセルフレジ以外にもテクノロジーを活用したサービスやシステムが注目を浴びています。ここからはそれらの特徴やメリット、ベースとしている考え方、そしてこれから目指している未来や今後の展望などについて伺いました。
–そのほかにテクノロジーを活用したシステムなどがあれば教えてください。
例えばお客様の購買傾向やアンケート結果などを、すべてリアルタイムで集計し、データとして可視化しています。注文の多いメニューや味への評価、店ごとの注文からお渡しするまでのスピードなどを知ることで顧客体験を向上させていく──それが我々にとってのテクノロジーやシステムの在り方なのだと思います。あとはアプリやバックヤードのシステムも自社で作っています。2017年にモバイルオーダーのシステムを開発しましたが、その時点でほかにもそういったシステムはありました。ただなぜ自社で作ったかというと、サードパーティのシステムとはまったく目的が違って、“体験価値”ではなく“コスト”の話をしていたからです。
–体験価値とコストの違いはどういった部分に繋がるのでしょうか?
システム化の考え方は、“コストを下げる”ことか“お客様の体験価値を上げる”ことの二つに分けられて、それに関して我々の方向性は必ず後者。それは先ほどの“熱狂的なファンをつくる”ことに通じる部分であり、お客様のことを知れば、より素敵な提案ができることに繋がっていきます。
–やはりあくまで目的は“お客様の体験価値を上げる”ことなんですね。
私たちはテクノロジーの面で注目されることも多いのですが、個人的にはテクノロジーだけでは寂しい世界になってしまい、心躍る体験がなくなってしまうと思います。そこでクリエイティブの領域とテクノロジーの領域を混ぜることで『CRISP SALAD WORKS』を利用してくれるお客様の体験価値を上げることが、我々として目指しているところですね。
–あくまでお客様ありきと。ほかに最近スタートさせた取り組みなどはありますか?
今年の4月からは、プラスチックだったボウルのフタを再生可能なペーパー仕様のフタへと変更しました。それを社内では“サステナブルボウル”と呼んでいます。ナチュラルに自分たちがいいと思うことをしようという発想を支持してくれるお客様と、いい世界をつくっていきたい。紙とプラスチックではどうしても値段に差が出てしまうのですが、遅かれ早かれそういう時代になってきていますので、それならば今からやろうと。そういったアクションも含めて『CRISP SALAD WORKS』に来てくれるお客様が、先ほど言った“GOOD”ではなく“GREAT”だと思ってくれたらうれしいです。
–『CRISP SALAD WORKS』は人と人との関わりや、直感的な“好き”を大事にしているんですね。
そうですね。ただ『CRISP SALAD WORKS』は店舗ごとにもまだまだ改善点はありますし、お客様からは「もっとこういう場所に出店してほしい!」という声もいただいています。それに実際のところデジタル化が進めば進むほど、お客様との会話は少なくなっていくもの。でも私たちは会話をしたくないわけではなくて、より適切にお客様に求められている部分で会話をして、そうでない部分はデジタル化していくという考えを持っていて、次に計画している店舗ではお客様との交流がより深まるような体験ができる試みを考えています。やはり本質的なところで価値を上げるのは、人と人。そこの価値をより高められるような顧客体験を、テクノロジーとの融合で実現していきたいです。
最新のテクノロジーやシステムを通して、新しいサラダ文化を日本で広めている『CRISP SALAD WORKS』。ぱっと見ではその革新的な部分に目は行きがちですが、実はその根本にある直感的な好きという気持ちを信じる姿勢や、リアルなつながりや心の交流を大切にする想いが支持されているのだと思います。そしてそれはハイテク化されながらもしっかりとDNAを残し、今なお多くの方の心をつかんで離さない『500e』にも通じる部分かもしれません。興味を持った方はぜひ『CRISP SALAD WORKS』自慢のサラダボウルを、それに付随する体験価値とともに味わってみてください。
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FIAT 500e
【INFORMATION】
CRISP SALAD WORKS 麻布十番店
住所:東京都港区麻布十番4丁目1−10 1F
営業時間:11:00〜21:00
URL:https://crisp.co.jp/
*各店舗情報につきましては、掲載時(2022年6月現在)の情報となります。新型コロナウイルス感染拡大防止措置により、変更となっている場合がございますのでご留意ください。また、外出の際はウイルス感染予防策を講じていただき、安全にご配慮いただきますようお願いいたします。
Text by ラスカル(NaNo.works)
Photos:濱上英翔
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