自動車のエンブレムとその変遷には、その会社の歴史や様々な思い、当時の技術や流行の影響をうかがい知ることができます。
今回は、そんなFIATのエンブレムの変遷を皆様にご紹介します。
FIATとは1899年にイタリアのトリノという街で創立された、その名もずばり「トリノ・イタリア自動車工業」を意味するイタリア語「Fabbrica Italiana Automobile Torino」の頭文字をとったもの。
非常にストレートでシンプルな名前とお思いかもしれませんが、実はこの年の1月まで、人類は「自動車」という言葉を知りませんでした。というのも、文献上確認できる最古の「自動車(Automobile)」という表記が、アメリカのニューヨークタイムスに登場したのが1899年の1月。つまり、FIATが誕生するわずか半年前。
今で言うまさにイノベーションともいうべき、画期的な産業がイタリアに生まれた瞬間だったわけです。
今でこそ500やパンダなど、愛すべき欧州大衆車メーカーとして知られるFIATですが、当時の自動車はとびきりの高級品。FIATはれっきとした、イタリアを代表する最先端の高級車メーカーとしてその名を世界に轟かせていたのです。もちろん、現在のF1へとつながる、第一回の自動車グランプリにもFIATは参加しています。
やがて、世は大工業化時代に突入。FIATは自動車だけでなく航空機や船舶、鉄道など幅広い活躍を開始します。
さあ、そんな歴史ウンチクとともに歴代のエンブレムを見ていきましょう。
100年以上にもわたる歴史の中で、様々な変化を繰り返してきたFIATとそのエンブレム。
いかがでしょう? そのいずれの意匠にも、イタリアらしいデザインマインドが脈々と受け継がれています。
これぞヘリテージ。
FIATのポップさの中にあるシックさは、こうした歴史の上に成り立っているのです。
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