<聖地巡礼>
ちょっと大げさにも聞こえる言葉が溢れる昨今ですが、まさにトリノのアウトモトレトロはFIATオーナーにとっての聖地といえるのかもしれません。
旧車のお祭りは、ある意味そのメーカーの持っているソコヂカラを見るには格好の舞台
です。その点FIATは創業100年を超える老舗なので、実に見ごたえたっぷりです。
Part1でもご紹介しましたが、欧州は空前のヴィンテージカーブーム。商品価値の向上とあわせて、クルマをレストアする環境も劇的に進化しました。
消耗品などはもちろん、実はとても大事なエンジンルームの主役の一つ、シャシープレートレプリカなどもたくさん売られています。こうしたコダワリは「走れば良い」から、大切にこれからも乗り続けるという決意の表れのようなものかもしれません。
そんなクルマ愛を支える人たちがオーナーズクラブ。
CLUB FIAT 500 TORINOのブースなのですが、なぜか1977,78,80年の世界ラリー選手権でFIATにマニュファクチャラーズタイトルをもたらした131アバルトラリー(公道用ホモロゲーションモデル)が。
売り物か?ときくと、「いや、自慢だ」と満面の笑顔で返されました。
会員100名、創立10年のクラブですが、500のクラブとしてスタートしつつも、いまではFIAT乗りならなんでもOKとのこと。自由なクラブです。
こちらは500や127などをベースにした、兄弟車アウトビアンキのオーナーズクラブ。会員数1,000名ほど。
写真右のA112は日本でも80年代大変な人気を呼び、鳥山明氏作の「Dr. SLUMP」に登場する則巻千兵衛博士の愛車としても有名です。
続いては、60年代後半にFIATが放った、ライトウェイトオープン「850スパイダー」のファンクラブ。スペシャルバージョン「Racer」が展示。激レアですが非売品。
その後継として登場した、70年代スーパーカーブームの流れを汲んだウェッジシェイプのX1/9(エックスワンナイン、イタリア名イクスウノノーヴェ)。日本では珍しい初期型。こちらには「売ります」のサインが…。
会場内にはもちろんX1/9のクラブが。現在85名の会員。みな楽しげにワイワイやってます。
マーケットに目を移すと…。
500のミニカーや歴史についての書籍たちが…。
いまやアートとしての価値が話題の、看板やポスターもそこかしこに溢れています。
旧い車には必須の資料類、購入の手引やマニュアル類も驚くほど充実。こうして次の世代にも旧車は引き継がれていくのです。
親子連れなど会場にはまさに老若男女が訪れ、ヨーロッパらしい「蚤の市」を肌で感じることができます。
ただ単にクルマを売ったり買ったりするのではなく、ちょっとしたコーディネートも見逃せないエッセンスです。
たとえば会場にはたくさんの500がいるのですが…。
キャリアに載せるレトロなバッグのセンスがオレンジのボディカラーと相まって、GOOD。
こちらは、1936年から55年まで生産された、500のご先祖様「トポリーノ」。
あるだけでもすごいのですが、実に素晴らしいコンディションを保っています。
よく見ると、グリルについた写真手前のエンブレムは、戦前のリンゴット工場の守衛さんの帽子についていたバッジ。こういうイタリアらしい遊び心は是非参考にしたいものです。
こちらは一見ふつうの500。
しかしてその実態はトリノの名門カロッツェリア「シオネリ」が仕上げたちょっと豪華でオシャレなスペシャルモデル。マルーンの色合いが実に渋い…。
国内最大、現在全世界に21,000人の会員がいるという「Fiat 500 Club Italia」。
そんな彼らの会報「4 Piccole Ruote(小さな4つの車輪)」をご紹介。
一部3ユーロで隔月発行される本誌は情報盛りだくさん。
まだまだ続く、500の生誕60周年イベントの特集号では…、
いかに500がすばらしく魅力的で、イタリアを代表する存在なのかを、80ページにもわたり紹介しています。
会員のレストア日記や、メンテのコツはもちろんのこと、
500名物ともいえる、スペシャルモデルの紹介といった、まずもって日本ではお目にかかることのできない情報も盛りだくさん。
そして、もちろん世界中の仲間たちの様子の紹介など、楽しいカーライフのカガミのような内容。
そんな会場には、500の還暦を祝うかのように1957年のファーストモデルがさらりと置いてあったりします。(無理に頼めば乗せてさえくれます)
いかがでしたか? 来年はみなさんも足を運んでみては?
楽しさ満点の聖地巡礼を是非!
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