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リトリートを求め、フィアット 500で北海道をドライブ

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朝晩の涼しさが増してきたこの季節。秋の気配がひと足先に訪れていた北海道を「フィアット 500(チンクエチェント)」でドライブ。非日常的な景色のなかに身を置き、おいしいグルメで食欲を満たし、エナジーをチャージ。そんなオトナの時間、束の間のリトリートを求め、帯広周辺のおすすめスポットを巡っていきます。

あたり一面に広がる牧草地には、放牧された牛たちの姿も。

満寿屋商店の旗艦店「麦音」でモチモチパンを食す


9月中旬。この日の帯広の最高気温は24度。暑さに疲れた体をスーッと軽くしてくれるような陽気に元気をもらい、500で帯広を出発しました。最初に向かうのは、十勝産の小麦を100%使用した美味しいパンを提供しているお店「麦音(むぎおと)」。東京・目黒の「満寿屋商店 東京本店」や国立の「mugioto国立」も展開している満寿屋商店のベーカリーのなかで、ここ「麦音」は旗艦店という位置づけ。敷地面積12,000平方メートルを誇り、単独ベーカリーとしては日本一の規模を誇ります。その広大なスペースに、できたてのパンをその場で楽しめるイートインスペースや、パンの製造工程を見られるオープンキッチン、小麦畑を有する広い庭園などを備えています。

帯広の「麦音」。“地元十勝との共存共栄”をテーマに、地域の食材を使った美味しいパンを提供しています。カーボンニュートラルを追求し、風車による製粉や、間伐材からなる木質ペレットを使って石窯でピザを焼く、といったエコフレンドリーな取り組みも行なっています。

小麦の生産量日本一を誇る十勝ですが、「麦音」ではそのなかでも生産量の少ない「キタノカオリ」という小麦を使用。これは国産小麦の中でも特にモチモチ感が強く、甘みのあるしっかりした味が特徴なのだとか。またチーズは十勝川温泉のモール泉で発酵させた「十勝ラクレット モールウォッシュ」を使用しています。ラクレットの中でも最高と言われる素材をチーズやパンに用い、十勝でしか作れない味を実現しているのです。

購入したパンは、店内のテーブルやオープンテラスでいただくことが可能(右)。写真左はお店の一番人気「とろ〜りチーズパン」。

さっそく人気商品の「とろ〜りチーズパン」と「十勝牛カレーパン」、木質ペレットで焼いた「石窯ピザ」を購入し、イートインスペースへ。帯広の心地よい風を感じながら、できたてモッチモッチのパンを頬張るのは最高。そよ風を肌で感じながら、素敵な時間を過ごさせていただきました。

SHOP DATA

店名麦音
住所帯広市稲田町南8線西16-43
電話番号155-67-4659
営業時間6:55~20:00 (11月~2月の冬季は6:55~19:00)
定休日年末年始
Webサイトhttps://www.masuyapan.com/shop/

 

メムアースホテルの前身は、寒冷地におけるサステイナブル住宅の研究プロジェクトです。2011年の震災後、環境に優しい、エネルギー消費の少ない家づくりというコンセプトのもと、日本を代表する建築家、隈研吾(くま けんご)氏が審査委員長を務める国際大学建築コンペを勝ち抜いたグランプリ作品が年に1棟ずつこの場所に施工されました。同コンペを勝ち抜いたのは、早稲田大学、慶応義塾大学、九州大学、ハーバード大学とオスロ大学ら八校。それぞれの学生たちが隈研吾氏の監修のもと「寒冷地における持続可能な暮らし」を追求し、英知を結集させたのです。そうしてできた実験住宅を有効活用するかたちで、2018年に宿泊施設としてオープンしたのがメムアースホテル。先進的な建築作品に身を置きながら、自然と触れ合うことの意義を見つめ直す機会を与えてくれます。

3層に分かれたホライゾン・ハウス(メムアースホテル内)の室内。

 

宿泊させていただいたのは、ハーバード大学デザイン大学院による「Horizon House(ホライゾン・ハウス)」。建物のあらゆる面に窓が備わっていて、360度どの方向も見渡すことができます。また、キッチンや居間、寝室が3層の高さに分かれているのが特徴。これは、この地域が冬季に積雪が約1mに達することから、雪が積もっても中間層から外の景色が見渡せるように設計されているそうです。さらに暖気は上方に溜まることから冬場は上層を居住空間とし、逆に夏場は下層で過ごすという具合に、ひとつの家でシーズンごとに過ごし方を変えながら、楽しむことができるのだとか。ハーバード大学の学生たちが北海道での豊かな暮らしに想いを馳せて作り上げたことを想像しながらコーヒーを一杯いただくと、心にまでじんわりと広がる温かみを感じました。

 

夕暮れ時のホライゾン・ハウス。辺り一面が見渡せるこの空間では、時間の移ろいも景色の一部として楽しむことができます。

 

日が沈み、夕食会場に向かうために外に出ると、そこには空一面に星空が広がっていました。月明かりを頼りに一歩一歩足元を踏みしめるように歩く体験は、どこか懐かしく、郷愁の気分に。街灯もなく不便なはずのそこでの時間が、とても新鮮で心地よく感じられたのは、都心で味わう便利さとは異なる、本質的な豊かさに触れられたからでしょうか。草木をくぐり抜けてくる風のにおい、虫の鳴き声、はるか遠くに続く地平線。それら北海道の原風景と、その自然を楽しむように建てられたメムアースホテルでのひと時は、とても心安らぐものでした。不要なものをそぎ落とし、自然の温もりに囲まれて過ごす。その引き算の美学ともいえる心地よい体験は、フィアットを運転しているときに感じる、ノスタルジックな運転フィールに通じるものがありました。翌日のドライブを楽しみにその日は床に就きました。

 

若き才能に溢れたシェフが地元の食材を使い、クリエイティビティを発揮しながら、ひとつひとつ丁寧に振舞ってくれるフードはどれも美味。メムアースホテルでは契約農家から食材を仕入れるだけでなく、ゴミをコンポスト化(堆肥化)し、調達元の土地に還すなど、持続可能性も追求しています。そうした地元を愛する心が、料理の味にも反映されているように感じました。

 

SHOP DATA

店名MEMU EARTH HOTEL(メムアースホテル)
住所北海道広尾郡大樹町芽武158-1
電話番号0155-87-7777
Webサイトhttp://memu.earthhotel.jp/

 

翌朝、帯広南方(広尾郡)のメムアースホテルから一路、北海道のほぼ中央に位置するウエスタンビレッジサホロを目指します。この日の一大イベントは、北海道でぜひ試したかった、ホーストレッキングを体験すること。ホテルから120km。その約1時間50分の道のりを「500 TwinAir Lounge」で流します。直線が続く、単調な道のりも飽きさせないのが500の面目躍如。小さなコクピットから雄大な景色を楽しみながら進んでいきます。カドの取れたやさしい乗り心地と、旅の雰囲気を盛り上げてくれるエンジンフィールは、ゆったりとした旅の気分に見事に調和します。広大な北海道とはいえ高速道路は1車線区間が多く、交通ペースはゆったり。そうした速度域では、ピークトルクを迎える前の低い回転域で走らせることになりますが、500のエンジンはアクセルを軽く踏み込むとブロロロンッという気持ちのいい音で応えてくれます。そんな快音を耳にしながら大地を駆け抜けていきます。

 

北海道の原風景の中でホーストレッキング

ウエスタンビレッジサホロに到着。ココの魅力は、本格的なホーストレッキングを楽しめること。柵に囲まれたコース上をぐるぐる回るのではなく、原生林に囲まれた1周約4kmもの道のりを外乗させてもらえるのです。せっかく北海道まで来たのだから、馬にたっぷり乗って楽しみたいという人にとって、ウエスタンビレッジサホロの提供しているプログラムはぴったり。

 

500でウエスタンビレッジサホロに到着。ご主人ジャックさんの愛馬と一緒に記念撮影。

初めに乗馬の基本的なレクチャーを受けます。乗馬中は姿勢を正し、両足のカカトで馬の体を軽く挟み込むように蹴ると前進。手綱を右に引くと右側に、左に引くと左側へと曲がり、手綱を引くと停止するという具合に、基本的な操作を教えてもらいます。ガイドのジャックさんいわく、乗馬で大切なのは、自分が馬を操るという意識をしっかり持ち続けること。人間が不安に思っていると、それが馬にも伝わってしまうそうです。さて、一連の基本的な操作方法を覚えたら、いよいよ森の中へと繰り出します。コースには、浅い谷川の渡河まで含まれていて、気分はすっかり馬乗りに。

 

大自然の中を巡るルートには、谷川の渡河も含まれています。馬とのコミュニケーションを密に取りながら、先導するガイドさんに付いていきます。料金は1時間コースで11,000円。

 

“馬に乗っている!” と喜びを実感しながらの約1時間のトレッキングはあっという間に終了。それでも満足感は十分。トレッキング後はジャックさんやスタッフの方に馬の話を聞きながら、自家製の特製プリンをいただきました。牧場で放牧された鶏の卵から作った峠のプリン。とても美味しかったです!

 

朝採りの鶏の玉子で作る「峠のプリン」は「幸せの青い玉子プリン」「北のコーチンプリン」「プリマスロックプリン」の3種類。各380円。

 

 

SHOP DATA

名称ウエスタンビレッジサホロ
住所北海道上川郡新得町狩勝高原
電話番号0156-64-4111
営業時間GWから10月いっぱいまで
定休日不定休(プリンなど販売する農家Café 峠のテラスは火曜日定休)
Webサイトhttp://sahoro.jp/

 

これぞ北海道といった趣のナイタイ峠をドライブ

もう1箇所。帯広方面で行ってみたいと思っていたのが、ナイタイ峠。青空のもと、緑に囲まれたなだらかな丘陵を走る。そんな北海道の典型的な景色を実物にしたかのような風景を楽しむことができます。道中はいわゆる普通の田園風景でしたが、ナイタイ峠にたどり着くと、途端に景色が変わります。山々には深緑の牧草が生い茂り、辺り一面に放牧された牛の姿を見ることができます。

 

牧草地の中を通るナイタイ峠の道路からは、牛たちの姿を間近に見ることができます。

 

終着点のナイタイ高原牧場テラスまでの約13kmの道のりは、なだらかなワインディング。ワインディングといっても、走って楽しむというよりは、美しい景色を眺めながらゆったり走りたい気分。途中、放牧された牛の群れが視界に飛び込んでくることも。標高800mの場所にある展望台やナイタイテラスから一望する雄大な景色は必見。その大パノラマを眺めれば、遠方からでも来てよかったと思えるに違いありません。

 

美しいワインディングロードを500でドライブ。

 

さあ、北海道の豊かな自然とグルメを堪能したところで、いよいよ帰路につきます。普段、時間に追われる生活を送っている身には、北の大地の風景はとても眩しく見えました。視界を遮るものが一切ない広大な大地や、グラデーションを帯びた広い空、大地の恵みをたっぷり吸収した農作物。そこに身を置くだけで、脳や身体にいい反応が起きているのが実感できるかのよう。普段の都市部に慣れた生活も、本当は体に馴染んでいないのでは、という疑問さえ浮かんできました。が、そんな思いも500のステアリングを握って走っていると「まぁ、いっか」と気楽に思えてくるから不思議。すっかりリトリートできている自分に気づいたのでした。急がず、楽観的に。500で行く旅はやっぱり楽しい!

 

文 曽宮岳大 写真 荒川正幸

Fiat 500の詳細はこちら

 

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