燕市庁舎前の広大な田園は、大半が稲刈りを終えたあとで、散髪後のようにさっぱりしていました。その中に一部だけまだ刈り込み前の田んぼがあり、伸びた穂が風にゆらゆら揺られ、陽を受けて金色に輝いていました。「フィアット アグリ アート プロジェクト」の田園です。7月のフィアット・ピクニックで、『500e(チンクエチェント・イー)』のお披露目と共にクライマックスを迎えた田んぼアートも、いよいよフィナーレを迎えることに。10月3日(日)、フィアット新潟のオーナーさまをはじめ、ボランティアの方々、燕市の皆さま、そしてフィアット マーケティング本部長 ティツィアナ・アランプレセによる収穫祭が行われました。
▲「フィアット アグリ アート プロジェクト」の舞台となった燕市役所前の田園。いよいよ米の収穫期を迎えました。
今年も日本各地で異常な暑さを記録したり、台風におびやかされたりと不安材料はありましたが、燕市の稲は元気よく育っていました。夏にまだ青々としていた苗は大きく伸びて金色に染まり、膨らんだ穂はその重みで先端が垂れ下がっています。こうして米の成長を見守ることができたのも、「フィアット アグリ アート プロジェクト」を通じた農業体験の喜び。稲の成長に秋の訪れを実感しました。
▲稲は元気に育ち、穂はぷっくりと膨らみを見せていました。
収穫祭ではフィアットのマーケティング本部長 ティツィアナ・アランプレセが冒頭にごあいさつ。
「田植えから稲刈りまで皆さんとご一緒することができ、うれしく思います。田んぼアートでは、参加された皆さんとこうして心のつながり、自然とのつながり、そしてコミュニティのつながりを持つことができ、感謝の気持ちを感じると共に、人が自然からもらうギフトのすばらしさを実感しています。グラッツェ!」と感謝の意を述べました。
▲フィアット マーケティング本部長 ティツィアナ・アランプレセ。
続いて燕市・産業振興部長の遠藤さんがご登壇しました。
「5月に皆さんと一緒に田植えを行い、7月にはフィアット・ピクニックで色づく田んぼを共に楽しみましたが、早いもので収穫の時期を迎えることとなりました。私も毎日庁舎の3階から田んぼを拝見させてもらい、徐々に色付いていく様子を見守っていました。燕市で今年とれたお米は非常に出来がいいと聞いています。今日は皆さんにも稲を刈りながら、新米特有の香りを楽しんでいただけたらと思います。私も一緒に稲刈りを楽しませていただきます」と述べ、参加者の皆さんにエールを送りました。
▲燕市・産業振興部長の遠藤一真さん。
参加者の皆さまは、靴を履き替えて、さっそく収穫に入ります。天気は絶好の稲刈り日和。長靴を履き、軍手をした手に鎌を持ち、地面から5cmから10cmくらいの高さで稲を刈っていきます。刈った稲は4〜5束にまとめ、それをふたつ結び合わせて、稲架(はさぎ)にかけて天日干しします。狩る・縛る・掛ける。この3つの作業を幾度となく繰り返していきます。
フィアットオーナーの参加者のなかに稲作を生業としているプロの方がいらしたので、昨今の新潟の農業事情を聞いてみました。上之山さんはコシヒカリを中心に育てており、今年の収穫を終えたところ。昨今は温暖化に直面し、その影響を大きく受けてしまうこともあるそうです。上之山さんによるとコシヒカリにとっては8月が暑すぎるとあまりよろしくなく、穂が固まる前のまだ液体の状態のときに高温にさらされると白くなってしまい、米の品質が下がってしまうそうです。そうならないように、農家さんは有機肥料を増やすなど色々と試行錯誤しながら、できるだけおいしいお米を作ろうと努力されているといいます。
上之山さんによれば、昨今は機械化が進み、コンバインによる収穫が中心となったため、田植えや稲刈りを人力でやることはほとんどなくなっているのだとか。しかし一世代前の親御さんの時代はまだ多くが手作業だったそうです。
▲稲刈りの体験を通じて、様々な交流が生まれました。
そんな貴重な手作業の稲刈り体験をした参加者の方々にお話をうかがってみました。
『Panda Cross 4×4(パンダ クロス フォーバイフォー)』でご来場の藤田正健さん・美穂さんご夫妻は、普段クルマに乗る時に、車載のインフォメーションディスプレイに燃費計を表示させ、ゲーム感覚でエコ運転を楽しまれているそうです。藤田さんご夫妻には田植えにもご参加いただきましたが、今回初めて収穫を経験されました。「無事に育ってほしいという想いを込めた稲が、数ヶ月でここまで育ったのが感無量ですね」とご主人。奥さまも「立派に育った稲をこうして収穫することができてよかったです」と、稲の成長を見守ったことに喜びを感じている模様です。
▲藤田正健さん、美穂さんご夫妻。
藤田さんご夫妻にとって今回の一番の収穫は?
「稲刈りの作業は大変でしたが、そういう経験をできたからこそ、日頃おいしいお米を食べられることに、農家さんへの感謝の気持ちがこみ上げてきました。秋空のもと、気持ちのいい陽気の中で妻や他の皆さまと一緒に稲刈りを体験できたことが何よりいい思い出になりました。それが一番の収穫だと思います」と感想を話してくれました。
堀川涼太さんは、社用車の『500(チンクエチェント)』でご参加。お勤め先のテレビ局では、地元の企業と合同で“Team ECOプロジェクト”という活動を通じ、町内の定期的なゴミ拾いや里山の保全活動などを行っているそうです。今回の収穫体験では額の汗をぬぐいながら、一生懸命作業されている姿が印象的でした。
▲堀川涼太さん。
「こんなに汗をかくつもりじゃなかったんですけどね(笑)。お米は普段からたくさん食べていますが、今回収穫を経験できたことで農家の方々の大変さが身に染みました。これからも大切にお米を食べさせていただきたいと思います。社用車の『500』についてですか? そうですね。行く先々で“フィアットの営業車珍しいですね”と声を掛けてもらえ、すぐに覚えてもらえるのがいいですね」と話してくれました。
鈴木芳明さん、さくらさんご夫妻は、4歳の双子ちゃんと共に家族4人で『Panda 4×4』に乗ってご参加。降雪地域の新潟では4WD車が活躍するのはもちろん、マニュアル車であることに便利さを感じているそうです。奥さまのさくらさんいわく、「雪道の下り坂ではAT車だと、どんどんスピードが出てしまい怖いですけど、MT車だとエンジンブレーキを使えるので安心感があります」と話してくれました。ご主人も「ツインエア エンジン独特のドコドコドコという音が気に入っていて、自分で操っているのを実感できるのがいいですね」とお気に入りの様子です。
▲鈴木さんファミリー。
鈴木さんご夫妻にとって今日の一番の収穫は?
「作業前はもしかしたら子どもたちが嫌がるかもしれないと心配もありましたが、楽しそうにやっている姿を見られたことが一番の収穫ですね。ニコニコ楽しんで作業していました。お米を作ることの大変さを身をもって学ぶことができ、いい経験になりました」と話してくれました。
前述の稲作農家を営まれている上之山和幸さんと奥さまの由美子さんは『Panda Cross 4×4』でご参加。普段から農業をされているプロフェッショナルですが、それでも参加した意義を感じたと話してくださいました。
「皆さんがこうして楽しんで収穫されていたことは、農業への理解を深めてもらえたという意味で、とても良かったと思います。特に小さなお子さまも来られて、お米がこういうふうにしてできるんだというのを見てもらえたのは、良かったですね」とご主人。奥さまも「手刈りで収穫する機会は大人の方でも滅多にないと思いますので、いい経験になったのではと思います」と話してくださいました。
▲上之山さんご夫妻。
上之山さんご夫妻にとって一番の収穫はなんでしょう?
「クルマを通じて、皆さんとこのような接点ができたことがすばらしいと感じています。フィアットというクルマに乗っているからこそ、皆さんとコミュニケーションを取ることができたので、このような機会を与えてくれた関係者の方々に感謝します」と話してくださいました。農業のことを色々教えてくださり、ありがとうございました。
皆さまのご協力により、お昼までに予定されていた収穫は無事に終了。稲架にかかった稲は、その匂いを辺りに漂わせ、秋の入り口が訪れていることを予感させてくれました。天日干しで乾燥されたお米は後日必要な工程を経た後に、参加された皆さまに贈られる予定です。楽しみにしていてください! 最後に参加された皆さまと記念撮影を行い、収穫祭は無事に終了しました。
▲参加者の皆さまで力を合わせて収穫。
▲参加者の皆さまで記念撮影。
▲収穫したお米は精米し、後日皆さまに贈られます。
参加者の皆さまには記念品と共にわっぱ弁当が配られました。割烹料理の料理人が腕によりをかけて作ってくださった、お米本来の美味しさを生かしたお弁当はとても美味しく、適度に疲労した体にエネルギーが染み込んでいくように感じられました。
▲参加者の皆さまに配布されたわっぱ弁当。
青空のもと、皆さまの清々しい笑顔が印象に残る素敵な収穫祭となりました。参加された方々、燕市の皆さま、ありがとうございました!
写真 荒川正幸
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