とある寒い日、暖かな雰囲気に誘われて立ち寄ったキッチンバーで出会ったアヒージョは、いわゆる典型的なカスエラ(耐熱陶器)ではなく、クツクツと煮えるオリーブオイルと海老の赤がよく映える黒い器に入っていた。
本来は調理器具であるココットがそのままサーブされたのだが、最近流行りのSOLO的な「一人前にちょうどいい」サイズとあいまって、なんだかちょっと贅沢でオシャレな感じすらした。
店主いわく「南部鉄器の会社が作っているんです。実はわたしたちの業界でブレイクしつつあるんですよ…。」
南部鉄器といえば鉄瓶やすき焼き用の鍋が頭に浮かぶように、本来無骨な「和風」の王道といったイメージが強いが、このココットは、なんともいえないシャープさすら感じさせた。
蓋を見せてもらうと「OIGEN made in Japan since 1852」とある。
「おしゃれ」や「かわいい」が支配してきたこれまでの日本。でも、最近ではちょっとした骨太感も重要なキーワードになってきている。
鉄の特性を存分に活かし「食材の味を引きたたせること」それこそが日本古来の南部鉄器が今も愛される理由だが、正直無骨すぎる印象も否めなかった。
しかし、このOIGENのココットは、武骨さよりも、きめ細かな地肌や、絶妙なサイズ感やデザインなど、むしろ現代っぽさすら感じるほど。なるほど流行に敏感な料理業界で注目される理由もうなずける。
調べると、OIGENはそのデザインやサイズなど、柔軟に現代のライフスタイルに対応していることがよくわかった。
わたしたちFIATの考えるクルマが、「移動」という目的だけではなく、「運転のたのしさ」や「デザイン」といった所有のよろこびを叶えてくれるモノであって欲しいと考えるように、OIGENの鉄器にも「調理」という目的以外に、「見て良し、食べて良し」という彼らの言う“愉しみ”が共存している。
近頃メディアでも多く取り上げられるようになった鉄製のスキレット。すでに100万セット以上が販売されるほどの大ヒットだというが、確かな技術と歴史に裏付けられたOIGENの製品からますます目が離せない。
つづく
及源鋳造株式会社
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